ソバニイルヨ
『ボクハ、キミにアイを伝えるために、生まれた。』
こんにちは、いつもブログを読んでいただきありがとうございます!今回ご紹介するおすすめの本は『ソバニイルヨ 著:喜多川 泰』です!
ソバニイルヨのご紹介
簡単なあらすじ
主人公の隼人は中学1年生。父親の幸一郎の仕事はIT関係、母親の真由美も仕事に出ています。
隼人は思春期でもあることから、両親に対しても反抗的な態度であり、友達とつるんだり、勉強もせずにテレビやスマホに夢中になったりしていました。
そんなある日、父親の幸一郎が会社の都合で3か月ほどアメリカに行かなければならなくなりました。
幸一郎は、会社とは別に自分自身でも研究所も作って、会社が休みの日はその研究所に入り浸っていました。
しかし、周りからはそのような父親のことを『変人』呼ばわりされていたことから、隼人は父親のことを恥ずかしく思っていました。そのため幸一郎がいなくなることは隼人にとって心が軽くなる思いでした。
幸一郎がアメリカへ旅立った日、隼人が学校から帰って自分の部屋に行くと、へんてこな『ロボット』のような『工作物』のような『置物』のような大きな物体が置いてありました。
父親の仕業だと思った隼人は、そのロボットを疎ましく思いますが、起動するとそのロボットはしばらくしてから言葉を話し始めました。
『ボクハ、ユージー』『ボクハ、キミニアウタメニ、アイヲツタエルタメニウマレタ』
へんてこなロボット『ユージ』と出会った隼人。ここからどのような物語が始まるのかな?
噓つきは家庭教師のはじまり
へんてこロボット『ユージ』のせいで機嫌が悪い隼人。友人の典明にも機嫌が悪いことを悟られますが、ユージのことを話したところで『変人』扱いされることが目に見えていたため、だれにも相談できませんでした。
その時、サッカー部の友人の野口から遊びの誘いを受けました。野口によると、サッカー部の先輩や、さらにその上のOBなどもいて、マックやビリヤードなども連れて行ってもらったとのこと。
典明は塾があると言って断りましたが、家に帰りたくなかった隼人は野口の誘いを受けることにしました。
ビリヤードが終わって時計を見ると夜の9時20分。その間に母親の真由美から何度も電話がかかってきていました。
自宅に帰り、遅くなったことを真由美に問い詰められますが、隼人はとっさに『塾に体験に行っていた』と嘘をつきます。
真由美は隼人の言葉が嘘だということは見抜いていましたが、それ以上は問い詰めませんでした。しかし、勉強ができず成績が伸びていないことから、真由美はユージに勉強を教えるよう頼みます。
こうしてユージは隼人の先生になったのですが、隼人は何でこんなめんどくさい勉強をやらなければならないんだと投げやりです。
そのような隼人に対し、ユージは言います。
『ベンキョウシナイデ コマルノハ ハヤトジャナイ。コマルノハ ハヤトノマワリニイル タイセツナヒトタチ』
隼人の先生となったユージ。隼人はユージからどのようなことを学んでいくのかな?
標的
今日も野口から遊びの誘いを受けた隼人。昨日のことがあり、また同じ時間に帰ったらもう真由美にする言い訳がありません。
無理やり遊びに連れ出そうとする野口に対し、それを断る隼人。野口は隼人に対して捨て台詞をはいて隼人の元を去っていきます。
自分の部屋に帰り、スマホでLINEのグループトークをひらきました。するとそこには、野口や野口とつるんでいるやんちゃな仲間が、隼人の悪口を書き込んでいます。
イニシャルで隠してはいますが、それが隼人のことであるということは一目瞭然です。
様子がおかしいことに気づいた真由美は、隼人に何があったか尋ねますが、隼人は答えません。どうすることもできない息子への対応に、泣きたくなった真由美はつぶやくのでした。
『ユージ、お願い…』
だんだんと、ユージの存在が真由美と隼人の中で大きくなりつつあるね!隼人にとっては試練の時が近づいているのかも…
自分さえ楽しければ
隼人にとって、今日ほど学校での1日が長く感じる日はありませんでした。
休み時間のたびに野口の仲間がつるみ、隼人のことを馬鹿にしたり悪口を言ったりしていました。
LINEでは相変わらず自分のことが話題になっており、泣きたい気分になるのを何とかこらえていました。
隼人は、リビングでテレビを用いて言葉の学習をしていたユージに、「何でみんな自分たちが楽しければそれでいいんだ!人が嫌な思いをしているのに!」と話します。
すると、ユージは答えます。
『デモ、隼人も、同じだったデショ。ビリヤード楽しんダケド、真由美ニハ『塾』ってウソついた』『真由美はキヅイテイル。隼人ノ『楽しい』が、真由美ノ『悲しい』にナッタ』
隼人は、そのユージの言葉を聞いて起こる気力もなくし、肩を落とすのでした。
隼人はユージに「ほかの人が自分の気持ちを分かろうとしてくれないで、たまらなくイライラするときってどうすればいいの?」と尋ねます。
するとユージは答えます。
『最初カラ期待シナイコト』
人は他人に期待してしまうから、それが叶わなかったときにイライラしてしまうんだね。
この本を読んだ感想
私が大好きな喜多川 泰さんが書いたこの本『ソバニイルヨ』
読み終わってからの満足感が半端ありません!主人公が中学生ということもあり、大人はもちろんですが、その年代の子供たちにもぜひ読んでもらいたい1冊です♪
このブログで書いた内容はまだまだ本の序盤ですが、この続きはぜひ本を手に取って読まれて見てほしいです。
そして、読み終わった後は何回涙を流したかぜひカウントしてみてください(笑)。私は少なくとも5回以上は涙腺が緩んでいます( ;∀;)
小説仕立てになっていますので、ストーリーも凄くわくわくして楽しいのですが、へんてこロボット『ユージ』の話す言葉が深く心に刺さります。
そして、隼人の成長はもちろん、ユージや母親の真由美と一緒に、読者である私たち自身もこの本を通して成長することがきっとできることと思います。
この本を読んだ後は、何か行動したくてたまらなくなる。そのような気持ちにさせてくれる本ですので、ぜひ手に取って読まれてみてくださいね!そして、たくさん『アイ』を感じてくださいね♪
心に残る3つのフレーズ
- 勉強しないで困るのは、周りにいる大切な人たち
- 最初から期待しないこと
- アイ
ブログを読んでいただき、本当にありがとうございました!