幸せになる勇気
『ほんとうに試されるのは歩み続けることの勇気だ』
こんにちは、いつもブログを読んでいただきありがとうございます!今回ご紹介するおすすめの本は『幸せになる勇気 著:岸見一郎、古賀史健』です!
幸せになる勇気のご紹介
簡単なあらすじ
この本は前作「嫌われる勇気」の続編にあたります。前作同様、この物語は哲学者の「哲人」と、1人の「青年」の会話形式で物語が進んでいきます。3年前に青年は「次に会うときは1人の友人として訪ねてきます。」と言って哲人と別れました。しかし、今回再び哲人を訪ねた青年は、なにやら雲行きが怪しい様子…哲人が語るアドラー心理学を真っ向から否定しようと哲人の部屋に乗り込んできたのでした。
前回はアドラー心理学のよって心を救われた青年が、なぜこれほどまでに再び否定するようになってしまったのか!?
教室は民主主義国家である
青年は3年間の間に母校の中学校で教師をするようになっていました。前回のアドラー心理学で学んだ「ほめてはいけない、叱ってもいけない」という教育方針を掲げて子供たちに毎日接していました。しかし、試験で満点をとってもほめず、宿題を忘れても叱らずに過ごしていった結果、教室は荒れてしまうという事態に陥りました。それを見かねた青年は、結局悪さをする生徒に対し、強く叱るという道を選びます。
アドラー心理学を実践した結果、このようなことになってしまったと憤慨している青年に対し、哲人は「クラスをひとつの民主主義国家と考えなさい」と伝えます。民主主義国家の主権は国民にある。それと同様にクラスの主権も生徒たち一人ひとりにあります。そしてさらに哲人は、その原則を忘れてしまった教師は知らず知らずのうちの独裁を敷いてしまい、クラスが荒れてしまっていると伝えます。
それに対し、「難癖をつけるな!」と怒る青年。哲人はそのような青年に対し、アドラー心理学を用いて対話をしていくこととなります。
学校の教師は、生徒をほめてはいけないし叱ってもいけないんだって!正直どういうこと!?って思っちゃうよね。
教育とは「仕事」ではなく「交友」
納得がいかない青年に対し、哲人はアドラーの1つの体験話を行います。ある日、アドラーは重度の精神障害を患った少女を診ることとなりました。初めて出会ったときの少女は「犬のように吠え、つばを吐き、服を破り、ハンカチを食べようとした」という重篤な症状であったとのことです。
最終的に少女は社会復帰を果たし、自分で生計を立て、周囲の人と調和して暮らすまでに快復しました。どのような魔法を使ったのか?と質問する青年でしたが、アドラーが行ったことは、ただひたすら語りかけただけとのことです。ずっと語りがけて30日後、初めて少女は言葉を語り始めたとのことです。
その時のアドラーは少女のことを「彼女は私の友人である」と感じたそうです。カウンセラーであり教育者であったアドラーでしたが、そのような立場からではなく、あくまで相談者をひとりの友人として向き合ったことで心を開くことができたのです。そして、哲人は青年に対し、青年も同じように生徒たちにひとりの友人として向き合うべきだと伝えました。
先生と生徒たちが友人として接する。一見すると距離が近すぎては良くないのではないかと思ってしまうよね。なぜ、哲人は友人のように交友しなさいと伝えるのだろう?
愛する人生を選べ
前作同様、白熱していく議論。最後は愛について議論していくこととなります。そのなかで哲人は、「他者を愛することは、他社に愛されることよりも何倍も難しい」と青年に伝えます。どう考えても愛することのほうが簡単だろうと哲人に話す青年でしたが、哲人はその難しさを青年に話していきます。
その中で、哲人は「愛とはふたりで成し遂げる課題である」と青年に話します。一人で成し遂げる課題や、仲間たちと成し遂げる課題についての教育は学校や社会で学ぶことはあるものの、ふたりで成し遂げる課題、それに対する技術はどこでも学んできていないといいます。
そこから自立とは何か?人生の主語は誰なのか?といった議論を経て物語の最終を迎えることとなります。
愛することのほうが難しいと思っていた人はどれだけいるのだろう?僕も愛されることのほうが断然難しいと思っていたよ。
この本を読んだ感想
前作の「嫌われる勇気」に続く第2作目として出された「幸せになる勇気」。アドラー心理学のより深層にタッチしていることからも、前作よりも少し内容が難しかった気がします。
私自身の読解力のなさでもあるのですが、1回読み終えただけでは内容を理解しきれないところも多く、何度か読み直した箇所もあります。
しかし、アドラー心理学を元にした哲人の考えは本当に感心させられるものばかりで、読み終えた後からは改めて自分の行動を見直したり、人に対する接し方を再確認するいいきっかけになったなと思いました。
全部で約280ページほどあるのですが、対話形式なのでスラスラと読めちゃいます。理解しながらとなると難しいのですが(笑)。ただ、3年前に笑顔で別れた青年が、再び怒りをもって哲人の部屋に乗り込んできたり、その都度哲人にスパッと論破されたりして、少しクスッと笑えたりもしました。
もし、哲人のようにアドラー心理学の詳しい方が身近にいたら、ぜひお酒を飲みながらゆっくりと話を聞いてみたいなあと思いました。
心に残る3つのフレーズ
- 「いま」の自分が過去を決めている
- 何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかが大切
- 本当に試されるのは、愛し続けることの勇気
ブログを読んでいただき、本当にありがとうございました!